
これらの研究テーマは一例です.テーマは原則として自分で決定します.
多面体同士の集合演算処理後の形状を, ほぼリアルタイムに画面表示します. パーツをドラッグすれば, 全体の形状が刻々と変化します. これは Z バッファにステンシルバッファを組み合わせた手法でも実現できますが, 本研究ではスキャンライン法を基にしており, 凹部を含む任意の形状の任意の組み合わせ (ブール結合) に対して適用可能であるほか, 半透明表示も可能です. また処理時間が CSG 木の複雑さにほとんど依存せず, そこそこの処理速度がハードウェアの支援なしに得られます.
CG シーンに雪を積もらせたいと言う要求はしばしば発生しますが, 雪のように形のはっきりしないものを, 手でそれらしくモデリングすることは骨の折れる作業です. そこで実際に積雪のシミュレーションを行って, 積もった雪の形状を求めることが考えられますが, それにはかなり計算時間がかかってしまいます. 本研究の手法では, シーン中の積雪する領域や, そこにおける積雪確率の算出に Z バッファを活用することで, 任意の形状のシーンに対する積雪形状を非常に高速に算出することが可能です.
光源に実際に形を持った物体 (オブジェクトライト) を用いた場合, それによって照明された物体表面上のハイライトは, 光源形状の映り込みになります. このとき物体表面が十分に滑らかでなければ, その形にぼけが生じます. これをまじめに計算していると非常に時間がかかるので, 光源を含む天空をテクスチャ化し, それをあらかじめぼかして環境マッピングする手法が考えられていますが, 本研究では GPU を用いて天空テクスチャをランダムサンプリングすることで, これを実現しています. この手法では光源オブジェクトもリアルタイムアニメーションさせることが可能です.
やっていることは「対戦型格闘ゲーム」です. 2 組の没入型ディスプレイ (3 面の 100 インチディスプレイを開いた「コ」の字型に配置したもの) に, 被験者の互いのアバタ (被験者の化身) を表示し, それを被験者の両手に取り付けた位置センサのデータをもとに動かして, 「痛くない殴り合い」をします. アバタは立体視表示を行っています. このシステムでは触覚情報は伝わりませんから, 相手が本当に目の前にいる感じや, 相手に見られている感じ, 触った感じや触られた感じ, ダメージを受けたり与えたりした感じなど, 言葉では表現できない情報の伝達を, 視覚表現を中心に試みています.
関節構造を持つ機構のアニメーションを作成する際には, 逆運動学 (IK) にもとづいた動きの生成手法が良く用いられます. この場合, 動きが不定にならないようにするために, 何らかの拘束やデフォルトなどを設定する必要があります. 本研究では関節部の拘束を, 「シリンダ」の組み合わせにより視覚的に表現する手法を提案しています.
写真画像や CG 画像を絵画調に変換する際,利用者が自分自身でその「タッチ」を制御できるようにします.利用者は絵画調に変換する際に用いる「ブラシ」の形状や特性を指定することで,変換後の画像がインタラクティブに変更され,それをもとに利用者は自分の設定を再調整できるというシステムの構築を目指しました.
風衝樹というのは,樹木が生育する環境における風や雪,立地等の影響によって,本来の形から偏形してしまった樹木のことを言います.この研究は樹木の基本形状を樹木の基本形状を L-System によって生成し,枝の長さや分枝の角度などの幾何情報に対して樹木の生育に与える環境の影響を反映したパラメータによって操作して,環境条件に適応した形の樹木形状を生成するものです.
Web上の買い物サイトなど,洋服を手に取ることが出来ない買い物において,着衣時のシルエットに留意して洋服を選択するには,実際の着こなし状態を再現できる試着シミュレーションシステムが有効です.本研究では,着衣形状のシミュレーションを対話的に行うことを目的とした布のモデル化を行いました.頂点を相互作用し合う質点とする三角形ポリゴンの集合として布をモデル化し,布の力学特性(張力,せん断力,曲げ抗力等)をばねの弾性力や三角関数で簡単に近似することで,布らしい形状を得ました.
この研究は究極のリアルタイムコミュニケーション手段ともいえる臨場感通信(テレイマージョン)システム上にチャットシステムを再構築することによって,臨場感通信にチャットの簡便さや娯楽性を導入するとともに,言葉を視覚化し,音声の代替表現を実現する新たな環境を構築しようとするものです.またこのシステムでは,俯瞰者も含め知識や情報を共有するためのコンテンツを提供することで,言葉の視覚的共有によるアウェアネスの獲得を目指します.これにより言葉を視覚的に介したインタラクションを実現します.
3次元(3D)キャラクターアニメーションにおいて,キャラクターの動きを手作業で作成することは,多大な時間と労力を要します.こうした問題に対して,作業の効率化を図るために様々な手法が提案されており,手作業では困難なリアルで説得力のある動きの生成に役立っています.しかし一方で,キャラクターアニメーションではリアルではない誇張された動きがしばしば見られます.こういった動きの作成は,熟練したアニメーターの知識や経験に基づく手作業に頼らざるを得ません.そこで本研究では,経験が浅いユーザでも容易に誇張表現を含む動きを生成できるツールの開発を行いました.ユーザは,あらかじめ用意されたキャラクターモデルに対して,基本となる動きを作成し,その動きに対して,ユーザが調節できる範囲で誇張化を施すことができます.これにより,容易に誇張表現を含む3DCGアニメーションを作成することができます.
本研究ではスプレーのメタファを用いた新たなモデリング手法を提案します.既に多様なモデリング手法が開発されていますが,それらの多くは操作方法が現実の造形手法と適合しないため,操作が難しいことがよくあります.そこで本研究は,メタボールを配置することにより,スプレーに近い感覚でモデリング可能なモデリング手法を開発しました.メタボールは,4面分割法によりボクセルモデルからポリゴンモデルに変換して描画しています.また,配置位置の決定を支援する機能,メタボールの色・大きさを変える機能などの機能を持っています.
自然界における発色のメカニズムは,一般的な色である色素色と光源波長以下の微細構造が生み出す光路差により発生する構造色に大別されます.構造色は視点位置や照明条件によって色の見え方が大きく変化するという性質を持っています.近年,構造色は工業製品にも取り入れられており,塗料では多層干渉薄膜構造をもつクロマフレア顔料が開発されています.本研究では,多層干渉薄膜構造をもつ塗料により発生する構造色の実時間でレンダリングする手法を開発しました.実時間でのレンダリングを行うためのパラメータとして光路差を用い,光路差情報を格納したテクスチャをテーブルとして参照してレンダリングの高速化しました.
コンピュータ・グラフィックスにおいて自然現象や自然物体の表現は重要な要素ですが,その中でも積雪の表現は,季節感を表すために重要なものとなります.しかし積雪を正確な物理シミュレーションで再現しようすると,膨大なデータ量と計算量のために結果を得るまでに長い時間がかかってしまいます.そこで本研究では,風による積雪の偏りがある積雪形状を高速に生成する方法を開発しました.障害物に接している風向き側の水平面を検出し,他の水平面よりも雪が定着する速度を早くすることによって,積雪の偏りを再現しています.
キャラクタアニメーションでは,キャラクタの動作をより効果的に見せるために,物理法則に従わない誇張された動作を付与することがあります.3Dキャラクタアニメーションでは,キャラクタ動作を生成する作業の効率化を図る様々な手法が提案されていますが,その多くが物理法則に則った動作の生成を行うものです.そのため,誇張表現を含むキャラクタ動作の生成は,どうしても手作業に頼らざるを得ず,作り手の知識・経験や,多大な時間と労力が必要になります.本ツールは3Dキャラクタの基本動作を作成することができ,その動作に対して誇張表現を容易に付与することができます.
近年,2Dアニメーションの制作現場においても,頻繁に3D技術を利用するようになってきました.しかし,3Dで制作したアニメーションに2Dアニメーションで用いられる効果を付けることは,一般的に困難な作業になります.そこで本研究では,2Dアニメーションにおいて動きを強調のに用いられるカトゥーンブラーという効果を,3Dグラフィックスに自動的に適用する手法の開発を行いました.カトゥーンブラーには様々な種類がありますが,それらは線の効果,残像の効果,ゆがみの効果,またはそれらを組み合わせたものに分類できます.この手法では,これらの効果を物体の移動方向に対して後方の輪郭線のデータを用いてブラーを生成します.
空の色を精密に再現するには, 大気中の太陽光の散乱現象をシミュレートする必要があります. しかし, 散乱現象を忠実に再現しようとすると計算コストが大きく増大してしまいます. そこで本研究では, 大気中に粒子を散布する手法を採用しました. この手法では粒子毎に散乱位相関数, 輝度値, および減衰率をあらかじめ計算しておき, 個々の粒子データとして保存します. そして実際に空の色を計算するときに, 視界に入った粒子の波長ごとの輝度値を求めます. このとき輝度値の計算に粒子が保持するデータを用いることにより, 計算時間を短縮します.
物体の破壊のシミュレーションは対象とする破片の形状が不定である上に要素数が多く, 短時間に結果を得ることが困難です. そこで本研究では, 物体形状を粒子で近似したものに対して破壊のシミュレーションを行うことで, これを高速に行う手法を開発しました. この手法は対象形状を粒子で近似することにより衝突判定を簡略化し, 破壊後の破片の数をこの粒子数に制限することで不定形の破片の増加を抑制します. また個々の粒子に破壊前の対象形状の一部を割り当てることによって, 対象形状を破壊後の形状に分割する手間を軽減しています.
違和感のない拡張現実環境を構築するためには, 幾何学的整合性と光学的整合性の問題を解決する必要がああります. 本研究では識別用のパターンを描いた正方マーカの中央に鏡面球を配置した3次元マーカを利用し, 正方マーカの部分で現実環境と仮想環境の位置合わせを行うと同時に, 鏡面球のへの映り込みをスフィアマッピングによりオブジェクトにマッピングすることによって, 実環境の照明環境を反映した仮想物体を実写画像中に合成しました.
本研究では, プレイヤーの身体能力の個人差がゲームの操作にどのような影響を与えるのかを調べることを目的としたボクシングゲームを作成しました. このゲームは利き手と頭に赤外線 LED を取り付け, Wii リモコンのカメラで利き手と頭の動きを読み取り, CG で作成した拳と視点を操作します. そして腕の振りの速さに応じてパンチの威力を変化させ, その威力によって CG で作成したサンドバッグの飛び方に変化を与えることで, 力の加減を視覚的に確認できるようにしました.